ロッド

海釣りに使う竿は多くの種類があるが、釣り場や狙う魚に応じて、「磯竿」「船竿」「投げ竿」「ルアーロッド」の4タイプに大別できる。最近では、「チヌ竿」や「グレ竿」などの特定の魚種を対象とした竿もある。
竿全体のしなり具合を「調子」といい、先調子は先の方に弾力のポイントがあり、中央部に弾力のポイントがあるものを胴調子という。
竿には、振出と並継とがあり、並継は、穂先や2番など元竿と1本1本別になっており、元竿からしっかりと継いでいく。ルアーロッドは、たいてい並継だが、継ぎ目の緩みはロッドの破損につながる。振出は、元竿の中に3番、2番、穂先と並んで入っており、穂先から順番に延ばしていく。振出竿には、道糸を竿の中に通す中通しと、外ガイドに通す2タイプがある。
▼磯竿
 クロダイ、メジナ、シマアジなど表層から中層にいる魚を、ウキ釣りで釣る「上物竿」と、イシダイ、モロコなど海底近くにいる大型魚を投げ込み釣りで釣る「底物竿」とがある。上物竿は、磯の中小物竿と呼ばれるように、中小物の魚を狙う5m前後の竿である。調子の軟らかい1〜2号くらいが、サビキ釣り、フカセ釣り、ウキ釣りに幅広く使える。
▼投げ竿
 投げ竿は、竿の弾力をできるだけ利用して、仕掛けを遠くへ飛ばす目的の竿である。イシモチ、カレイ、ヒラメなど型が大きくなる魚種には硬めの竿を、シロギスのような小型の魚種には軟らかめの竿を用いる。
▼船竿
 ハゼ、シロギスなどを釣る「小物竿」、カワハギ、カレイ、アイナメ、イサキ、メバル、マダイなどを釣る「中小物竿」、アコウダイ、キンメダイなどを釣る「深海竿」がある。中小物竿は、狙う魚種によって専用の竿を使う方が良い。
▼ルアーロッド
 アイナメ、カサゴなど中小型の根魚を狙う場合には、短めで柔らかいロッドを使い、河口やサーフでスズキやヒラメ、マゴチを狙う場合は、遠投のきく7〜8フィートの硬めのロッドを用いる。普通、ルアーロッドの長さは、メートルではなくフィートで表示する。
 

使う部分によって道糸、ハリスなどと名称が変わる
 いったんハリ掛かりさせた魚の取り込みに失敗するのは、意外に糸に傷があったための糸切れが原因であったりする。
●使う部分による糸の名前
釣りの仕掛けで使われる糸は、ハリに近い部分ほど細い糸が使われる。魚に仕掛けを気付かせたくないのと、根掛かりしたときに細い部分で糸を切りたいからである。
リールからウキや仕掛けまでの糸を「道糸」といい、ルアーフィッシングでは「ライン」という。道糸の先には、「ハリス」を結び、ハリを付ける。 サーフの投げ込み釣りでは、道糸の先に「先糸」を付ける場合もある。
●糸の素材
素材には、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フロロカーボン樹脂、超高分子量ポリエチレンなどがある。ポリアミド系のナイロン糸は、最も使われる糸で、伸びがあるので糸切れが起こりにくいという特徴がある。アタリが微妙なシロギスやカワハギなどの釣りでは、糸に伸びがあるとアタリが伝わりにくいので、ポリエステル系やダクロン糸を使う。
●糸の太さ
糸の太さは号数で呼び、号数が大きくなるほど糸が太くなる。ルアーフィッシングでは、「ポンドテスト(記号=lb)」で表するが、「1lb=1ポンド(453g)の荷重に耐える」という意味である。
直径(mm) Lb 耐久重量(g)
0.4 0.104 1 453
0.6 0.128 2 907
0.8 0.148 3 1360
1 0.165 4 1814
1.2 - 5 2268
1.5 0.205 6 2721
2 0.235 8 3628
2.5 0.260 10 4536
3 0.285 12 5473
3.5 - 14 6350
4 0.330 16 7257
6 0.405 22 -
8 0.470 30 -
10 0.520 35 -
14 0.620 50 -
18 0.700 60 -
   
  ナイロン系   ポリエステル系
  最も幅広く使われている糸で、ある程度伸びと吸水性がある。しなやかで糸ぐせがなく、長時間水中に置くと強度がなくなる。   吸水性がなく伸びもない。比重が小さく強度があり、糸ぐせがつきにくい。接着剤がきかず、また、結節強度が低いのが欠点。
       
       

  フロロカーボン系   超強度ポリエチレン
  ナイロンよりも強度は落ちるが、比重が大きいため沈みやすく、糸よれしにくいので、ハリスとして最も使用されている。   ポリエステル系の糸より2倍の強度がある。アタリが直接竿に伝わるので投げ込み釣りや船の深海釣りに使われることが多いい。

 
 
リール
 
 

 

基本的なハリの型

 

 

 

 

アゴ付きバリ

最も基本的なもの。
海釣りで多く使われる

 

 
アゴなしバリ ケン付きバリ
アゴ(カエシ)がないのでよく刺さる。道糸を緩めると魚が外れる 軸にケンがあるのでエサがずれず、大きく見える
短軸バリ 長軸バリ 角軸バリ

  丸型
フトコロが広く、軸が短いのでエサの吸い込みがよい。エビなどの生きエサを使う釣りに効果的
  袖型
長軸型の代表格。サイズも豊富で、ほとんどの対象魚に対応できる。これを基本にした専用バリは多い。
  カイズ型
フトコロの深い角型が特徴。本来はクロダイ用のハリとして生まれたが、現在は幅広く使われる。
 
  大輪型
丸型よりもフトコロが広い。軸が細いので大物釣りには向かないが、防波堤の中小物釣りで威力を発揮する
  セイゴ型
海釣りでは最も利用頻度が高い。タイプには丸味のある丸セイゴや角型の角セイゴがある。
  キツネ型
フトコロが浅く、長軸タイプのハリで、掛かりがとてもよい。エサを飲み込まれやすい対象魚には効果的。
 
  伊勢アマ型
海、川を問わず広く使われる。軸が太くしっかりしているので、シマアジなどの大物釣りに使われる。
  秋田袖型
型は袖型と同じだが、ハリ先が外を向いているのでハリ掛かりがいい。袖型同様サイズも豊富。
  ハヤガケ型
流線軸型とも呼ばれるが、ハリ掛かりがいいのでこの名が付いている。反面、フトコロが浅いので外れやすい。
 
  石鯛バリ
形は伊勢アマ型の発展型だが、軸が極端にに太く、ワイヤーを結びやすいようにチモトに穴があいている。
  流線型
軸が長く、流線型の独特の形をしている。イソメ類やゴカイなど長いエサを付けるのに向いている。
  タマミ型
ハリ先が極端に内側に食い込んでいるハリで、ネムリ型の要素をもった角バリ。歯の鋭い魚に効果的。
 
ネムリ型   ヒネリ型  
ハリ先だけ極端に内側っを向いたハリで、ハリ掛かりするとなかなかはずれないので、別名「地獄バリ」という ハリにネジリのあるタイプで、掛かりがよくなるといわれている。短軸、長軸、角軸それぞれにヒネリ型がある
 
 
疑似餌・ルアー
海でのルアー釣りはソルトウォーターフィッシングと呼ばれるが、これにはシーバスと呼ばれるスズキの釣り、ヒラメ、コチなどを狙うサーフキャスティングや、外洋でシイラ、ヒラマサ、シマアジなどの大型魚を狙うマリンキャスティング、カサゴ、メバル、アイナメ、などの根魚を狙う釣りがある。ルアーは、狙う魚種に合わせて様々な形やサイズ、色などを使い分けなければならない。池や湖では、バスフィッシングが盛んである。

代表的なルアー

     

メタルジグ

 
 
バイブレーションプラグ ミノープラグ
     
エギ
 

スプーン

 

 
バブルシュリンプ

ワーム

スピナーベイト ラバージグ
▼シングルフック プラグ
バルサ材、プラスチックなどで作られた浮力のあるルアーで、海では主に小魚を模したミノータイプを使う。ミノーには、水面に浮くフローティングタイプや、水中に一定の深さでとどまるサスペンドタイプ、沈んでいくシンキングタイプがあり、狙う魚の遊泳層に合わせて使い分ける。
 
スプーン
スプーンのように湾曲した金属製のルアーで、応用範囲は大変に広い。幅の広いコロラド型は、引くとひらひらとよく動き、細身に作られたウィローリーフ型は沈みやすく、引くと尾を振るようにして魚を狙う。
 
ジグ
金属製の重いルアーで、ヒラメなどの底魚を狙う場合や、遠投が必要な場合に使用する。小魚に似せて作られたメタルジグや頭部が鉛製で尾の部分にソフトプラスチックやビニールのひもを付けたジグヘッドがある。
 
ワーム
主に根魚を狙うのに使用されるが、魚のエサとなるゴカイなどの形をしている。専用のフックを通して使い、生エサのように動かすのが基本である。
 
エギ
餌木は、日本で昔から漁師がイカ釣りなどに使用していた。これを使ったルアーフィッシングが、エギングと呼ばれ人気を集めている。
▼ダブルフック
▼トリプルフック
▼ワームフック
●ルアーに使われる重さ
1 oz. = 28.3 g で有効数字2桁で四捨五入
oz. 13/4 2/31/21/4 1/ 81/16 1/32
 28.4g 21.3g 18.9g 14.2g 7.1g 3.5g 1.8g 0.9g
 
 
 

ウキ

●ウキはエサを対象魚のタナに保つのが一つの役目
 ウキの役目は、エサを一定の水深に止めて魚のいる遊泳層(タナ)に保つことと、魚がエサをくわえた時のアタリを伝えることである。ところが、この2つの役目は、互いに相反する側面を持っている。エサを一定の水深に保つためには浮力の大きなウキが必要であるが、逆に大きなウキは感度が鈍くなり、魚のアタリが伝わりにくくなる。しかし、海では波などもウキの動きに影響するので、淡水の釣りほどウキに神経質になる必要はない。狙う魚の習性や釣り場の状況に合わせてある程度使い分ければよい。
●ウキの形
形で分けると、トウガラシの形に似たトウガラシウキや、丸い玉ウキ、棒ウキなどがある。

●用途別のウキの種類
飛ばしウキは卵型あるいは楕円形で、中にオモリが仕組まれており、遠投の釣りに用いられる。また、クロダイ用のウキなどでも、やや遠投するときにはオモリの仕組まれているものを用いる。玉ウキにはゴム管で道糸に装着するものと、中通しタイプやカン付きで道糸を通して付けるものがある。微妙なアタリを伝えるためのアタリウキのような小さなものや、遠投用に重みを持たせた遠投ウキなどがある。夜釣りでは、リチウム電池や発光ダイオード(ケミホタル)でウキの先端を光らせる電気ウキなどが使われる。

 

オモリ

オモリの単位と換算

ナス型・中通し・他のオモリ

ジンタン

割りビシ

ガン玉

0.3号

1.13 g

8号(G8)

0.07 g

極小

0.20 g

B

0.55 g

0.5号

1.87 g

7号(G7)

0.09 g

小小

0.25 g

2B

0.75 g

0.8号 3 g

6号(G6)

0.12 g

0.35 g

3B

0.95 g

1号

3.75 g

5号(G5)

0.16 g

0.8 g

4B

1.20 g

1.5 号

5.62 g

4号(G4)

0.20 g

1.0 g

5B

1.85 g

2号

7.5 g

3号(G3)

0.25 g

大大

1.35 g

6B

2.65 g

3号

11 g

2号(G2)

0.31 g

特大

2.35 g

4号

15 g

1号(G1)

0.40 g

5号

19 g

ジンタンについては樺゙研ではGという記号で表示している。

8号

30 g

10号

38 g

▼オモリの種類
三日月型オモリ ミチ糸とハリスの接続を兼ねて使います。
中オモリ ミチ糸とハリスの接続を兼ねて使います。
ナス型オモリ 小物釣りには、これがあれば大体間に合います。
中通しオモリ ミチ糸の途中につけて使います。グミオモリとも呼びます。
釣り鐘オモリ オモリの下に直接ハリスを結んで使います。
小田原オモリ 小物釣りに使いますが、ナス型より、もうちょっと深めのタナでも使います。
胴付きオモリ 50〜300号くらいまであり、水深によって使い分けています。
割ビシ 小物釣りの代表的なオモリです。カミツブシとも呼びます。
ガン玉 主に磯の上物釣りに使われています。
 
ビシ ガン玉 ナス型 中通し その他

12号

45 g

15号

56 g

20号

75 g

25号

94 g

30号

113 g

60号

225 g

80号

300 g

100号

375 g

130号

488 g

150号

563 g


 オモリには狙った場所にエサを正確に沈めて、その場所にエサを保つという役目がある。狙う魚ごとの違うように、仕掛けが違えば使用するオモリも違う。また、潮流の速さや魚の遊泳層に応じて形や重さも使い分けなければならない。形で分けると、フカセ釣りなどに使うガン玉やジンタンなどがあり、そのほか、丸型中通しオモリやナツメ型中通しがある。船釣りに使用する小田原型やナス型、より早く仕掛けを沈めるための胴付きオモリなどがあり、片天ビンや三徳天ビンなどにオモリを付けて使用する。投げ釣りなどはオモリ付きの天ビンがあり、道糸と幹糸を本体に結び付ける固定式と、天ビン本体は結ばない遊動式がある。フロート天ビンやミサイル天ビンなどは遊動式や固定式のどちらでも可能で、ジェット天ビンや名古屋天ビンは固定式になる。